新年度です。

お久しぶりです、江原真です。2週間ほど前から大学が始まりました。

僕が通うカリフォルニア大学サンディエゴ校はその名の通り、高校の時と変わらずカリフォルニア州にあります。高校から車で7時間ほどのドライブで南下すると大学がある、といった感じです。サンディエゴからさらに30分くらい南下するとメキシコとの国境です。憧れのバハカリフォルニア半島へドライブに出かけるのも夢じゃありませんね。車がないうちは夢のままなんですが。

アメリカは車社会、というのはよく言われることだと思いますが、大学に来てそれを痛感しています。といっても、街との位置関係でいうと高校時代の方が不便でした。僕の通っていたStevenson Schoolは太平洋に突き出した半島の森のなかに位置していて、ペブルビーチというその都市内(行政上の都市区分ですね)にはスーパーマーケットがひとつもないくらいアクセスの悪いところでした。それでも高校在学中は、週末には学校から近くの街まで無料のシャトルバスが出ていましたし、そもそもあまり街にでかける必要もありませんでした。

実は大学があるラ・ホーヤという街もペブルビーチとよく似て、ゴルフ場とビーチの有名なリゾート地です。でもペブルビーチと比べると、より街として発展していて、そもそも人口も比べられないほど多い(約10倍)ですし、スーパーどころかショッピングモールまで用意されてます。大学に入ると、毎日3食が提供されることはなく、少なからず自炊する機会があったり、高校では予め寮に備え付けられていた家具や生活用品を自分で買わないといけなかったりするので、これはなかなか便利そうです。

ところが、大学の寮からそのスーパーやらショッピングモールまでがかなり遠いのです。そもそも大学の敷地自体が広すぎます。台東区の9割分くらいの広さです。大学内の移動でさえ、自転車かスケボーを買うか迷っているレベルです。もちろん、校内にも小規模のスーパーであったり、生活用品が買える場所はあるのですが、値段と品揃えがそこまでよくありません。そもそも、大学構内に数ある食堂・飲食店のレベルが低くて(基本的に高くて不味い)、街に出て食事をしたいと思うことが今後多くあるでしょう。ということで、なにかと大学から飛び出して街にでたいのですが、なにせ車がないので不便です。友達の車に乗せてもらったり、バスに乗ったりという手もあるのですが、なかなかに忙しい大学生活のなかで時間を効率的に使うには 、自分の車があるとかなり便利なのかもしれません。日本の自動車免許は持っているのに国際免許を取らなかったのが、ここにきてボディブローのようにじわじわと効いてきました。セコンドに付いたカバレロならこんな時なんと言うでしょうか。

ということで、大学での車のはなしでした。


ところで、環境が変わるというのは誰にとっても大きなチャレンジだと思います。

僕の今回の高校から大学への変化は、単純に見れば、地球儀上における自分の所在地がたった緯度4度分変わっただけかもしれません。だけど実際には、今までとは違う部屋の今までとは高さも硬さも違うベッドで寝起きするようになり、それまでは存在を知りもしなかったひとたちと言葉を交わすようのが当たり前になり、部屋から授業に行くまでの通り道にある一つずつの曲がり角の景色に慣れて、食堂でおばちゃんと交わす言葉さえも新しいものになっていく。そういう少しずつのたくさんの変化が洪水のように一度に自分に押し寄せる、っていうのが、環境が変わるということなんだと思います。

環境を変えて日常を一から作り直していく作業は、結果的に生活がラクになったり楽しい場面が増えたりするかもしれませんが、身体的にも精神的にも負担が大きいように感じます。今僕が現在進行形で味わっている高校から大学への変化も充分に大変ですが、今振り返ると、日本からStevensonにはじめて行った時の環境の変化はそれとは比べ物ならないほど大きなものでした。当時は、日常の景色が変わっただけなく、言語も変わり、アメリカの生活習慣にも慣れなければいけず、その上にそれまでとは完全に異なる教育システムや社会構造に適応する必要があり、自分の住む世界が根本的にひっくり返ってしまった中で、毎日見えない何かにしがみついていくような感覚でした。当然、自分自身にも大きな変化が求められましたし、その結果少しずつ成長というものを得ていったのだと思います。Stevensonでの生活が始まって2ヶ月ほどたってから原因不明の病気で一週間ほど寝込んでいたこともありましたが、その時に味わっていた辛さが今の自分の土台になっていると考えると感慨深いです。

2週間前に、はじめてサンディエゴ空港に降り立って、大学までの送迎のクーペにのりこみ、見慣れない海軍基地の景色を車窓から眺めつつも、なぜかそこにいた自分は、高校時代に空港から学校に向かうときには必ず通過していたペブルビーチの検問所を思い出していました。クーペが検問所を通らずに大学に到着し、車を降りて数歩歩いてみてはじめて、ああ、自分はこれからまた新しいところで頑張らないといけないんだ、と噛み締めました。

9月が近くなり、アメリカでは新年度が始まります。これからボーディングスクールでの生活が始まる人もいると思います。新しい環境に飛び込むには勇気が必要ですが、そこで精一杯がんばれば、結果がどうであれ、その決定を後悔することはないように思います。偉そうなことを言ってしまいましたが、僕も大学という新しい環境でたくさんのことにチャレンジし道を切り開いていきたいと思います。

まだまだ日本は気まぐれな天気の続く夏が終わらないようですが、サンディエゴは毎日23℃晴天です。

ということで、次回の投稿にもご期待ください。コメントも引き続きお待ちしております。

それでは。

コメント

  1. 新しい大学生活頑張ってください!新しい環境に適応するのは大変ですよね。僕もこれから頑張りたいと思います。ブログ毎週楽しく読ませてもらっています、これからも書き続けてくださいね。

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    1. 応援ありがとうございます。お互いがんばりましょう!

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